鞆の鯛網:瀬戸内の伝統漁法が描く初夏の風物詩

福山市の文化

江戸時代から続く鞆の鯛網は、瀬戸内の初夏を告げる風物詩です。新鮮な鯛を味わいながら、その歴史と文化を体験し、地元の人々との交流を楽しむことができます。大型連休にまだ予定のない方は、ぜひこの機会に鞆の鯛網を体験してみてください。新鮮な鯛の味わいと共に、瀬戸内の初夏を感じてみてはいかがでしょうか。

鞆の鯛網とは?

鞆の鯛網は、江戸時代初期から伝わる瀬戸内の伝統漁法です。これは、外洋の深海で冬を過ごした鯛が、春になると瀬戸内海に入ってきて、産卵場所を求めて鞆の沖を遊泳する様子を捉えたものです。この鯛を船団を組んで出漁し、捕るのが鯛網の主な目的です。

この漁法は「鞆の鯛しばり網漁法」として福山市の無形民俗文化財に指定されています。

瀬戸内海とりわけ鞆の浦の地理的特性

瀬戸内海には、たくさんの島々や複雑な海岸線、複雑な潮流があります。その中でも鞆の浦は、東は紀伊水道、西は豊後水道のちょうど中間に位置しています。これらの特性から、水温が適していて餌も豊富となり、魚が育ちやすい環境となっています。これが、鯛網が盛んに行われる理由の一つと言えるでしょう。

鞆の鯛しばり網漁法の歴史

鞆の鯛しばり網漁法は、江戸時代初期に始まったと言われています。この漁法は、初夏に産卵のために瀬戸内海に集まった鯛の群れを、6隻の船団で囲み、親船2隻が曳く、長さ約1,500m、幅約100mの袋網に誘い込んだ後、網の入り口を交差させ、しばり上げるように包囲して捕獲する方法です。

この漁法が考案したのは、村上水軍をルーツに持つ網元の村上太郎兵衛義光だと言われています。それまでの地引網や建て網による鯛漁の代わりに考案された漁法で、鯛網の始まりとされています。

観光用の鯛網が始まったのは1923年からです。

鞆の鯛網の見どころ

鯛網の見どころは、観光客は観覧船で近くで漁を見ることができることです。漁師たちが力強いかけ声とともに、1,500メートルの網を力いっぱい引きあげるところです。これは、一見の価値があります。また、鯛網から上がった鯛を直接購入することも可能で、新鮮な鯛を味わうことができます。

鞆の鯛網の開催日と観覧券の購入方法

2024年の鞆の鯛網の開催日は、4月27日(土)から29日(月)までと、5月3日(金)から6日(月)までです。開催時間は毎日11時00分からで、全日1回のみの開催となっています。所要時間は約1時間10分です。

観覧券の購入方法など、詳細は福山観光コンベンション協会のウェブサイトをご参照ください。

まとめ

以上のように、鞆の鯛網は瀬戸内の初夏を告げる風物詩として、観光客にとって見逃せないイベントとなっています。また、その歴史や文化を感じることができ、地元の人々との交流も楽しむことができます。大型連休にまだ予定のない方は、ぜひ鞆の鯛網を体験してみてください。

参考URL

鞆の浦観光鯛網 | 福山観光コンベンション協会
福山市の観光情報とMICE・コンベンション情報を紹介する公式サイトです。福山市内で開催されるMICE・コンベンションに対して円滑な運営と支援を行うとともに、鞆の浦や福山城など個性豊かな観光情報をお届けします。

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