流行の発信地・広島パルコにスシロー「デジロー」登場

メモ

郊外型から都市中心部へ、新たな戦略で集客

大手回転寿司チェーンのスシローが、2025年9月11日、広島市の中心部にある広島パルコ新館9階に「スシロー広島パルコ店」をオープンしました。これまでの回転寿司が郊外型の店舗が多かったのに対し、広島の「ど真ん中」への出店は、買い物客や仕事帰りの人、そして海外からのインバウンド客の需要を見込んだ新たな戦略です。

開店前から多くの人が列を作り、その人気ぶりがうかがえました。利用者からは「便利でおしゃれ」「スシローが近くになかったので嬉しい」といった声が上がっています。

デジローが実現する近未来の注文体験と多言語対応

この店舗は「デジロー」と呼ばれるシステムを採用しており、各座席の大型モニターで映像を見ながら寿司を選び、タッチ操作で注文できます。モニターは日本語、英語、中国語、韓国語の4カ国語に対応しており、ワンタッチで瞬時に切り替え可能です。これにより、魚や寿司の名前が韓国語でも理解できると、来店した韓国からの観光客は大変満足していました。

スシローの運営会社は、インバウンド客だけでなく、ふらりと立ち寄る買い物客や仕事帰りの人の需要も期待しています。デジローは、回転レーンに商品を流さない背景があるものの、映像で回転レーンを再現することで新たな楽しさを生み出していると店長は語っています。また、「すしナビ」機能を使えば、ハッシュタグで「創作メニュー」などを検索して商品を絞り込むこともできます。

広島パルコ店は広島県内で廿日市、福山に続く3店舗目のデジロー店舗です。広島市中心部への出店は、本通りが若者の街であると捉え、若者を主要なターゲットにしつつ、原爆ドームに近い立地から観光客のインバウンド需要にも応える狙いがあるとのことです。

私の見解

スシローの広島パルコ店オープンは、従来の「郊外型回転寿司」から「都市中心型店舗」へ舵を切る象徴的な事例といえます。ショッピングや観光の中心に立地することで、日常的な利用者だけでなくインバウンド観光客まで幅広く取り込む戦略が鮮明です。

特に注目すべきは、「デジロー」というデジタル強化の仕組みです。単なる効率化ではなく、

  • 大型モニターでの映像演出(回転寿司の“体験”を再現)
  • 多言語対応によるインバウンド客の満足度向上
  • 「すしナビ」での検索性向上(SNS世代に親和性)

といった形で、「顧客体験の拡張」と「文化の翻訳」を両立させています。

また、広島中心部は若者が集まる街であり、原爆ドームや本通り商店街といった観光拠点にも近い。つまり、地元の日常需要と国際観光需要の交差点を狙った戦略といえます。これは今後、他都市でも展開される可能性が高く、「都市型回転寿司」の新たなモデルケースになるでしょう。

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