八木・緑井地区に災害時の新たな道
2014年の広島土砂災害を受けて整備が進められてきた広域避難路「川の内線」の歩道部分が、2025年9月12日から利用開始となりました。この道路は広島市安佐南区の八木・緑井地区に整備され、全長約400メートル(歩道部分は約280メートル)で、国道54号と県道八木緑井線を結びます。災害時の住民避難や物資運搬を目的とした「復興まちづくりビジョン」に基づいた事業の一環です。
住民の安心と今後の整備計画
車道は今年4月に既に完成しており、今回の歩道開通により、山側の住宅地から主要道路へのアクセスが徒歩で可能になり、避難経路が大幅に短縮されると期待されています。地域の住民からは、買い物や災害時の避難に便利になり、安心して過ごせるようになったという喜びの声が聞かれました。
安佐南区地域整備課の担当者は、災害発生時に迅速な避難を促す上で、この道路が時間短縮に貢献すると考えています。今後、今年度中にはもう一つの階段が、来年度中には2基のエレベーターも完成する予定です。
私の見解
2014年の広島土砂災害を契機に進められてきた「川の内線」の歩道整備は、単なる道路インフラではなく、地域住民の生活と安全を直結させる復興まちづくりの象徴といえます。
今回の歩道部分開通により、
- 山側住宅地から主要道路への徒歩避難が可能
- 避難経路の短縮による「時間的安全性」の向上
- 日常生活(買い物や移動)の利便性アップ
と、災害時と平常時の両方にメリットをもたらしています。
さらに、今後の整備計画として階段やエレベーターが設置されることで、高齢者や身体的に弱い人も利用しやすくなり、「真に誰一人取り残さない避難路」に近づくでしょう。
災害復興事業は時に住民から「遅い」「実感がない」と批判を受けることがありますが、今回の事例は10年をかけた取り組みが形になり、住民の安心に直結した点で大きな意味があります。今後も「生活利便性と防災」を両立させる視点が地域整備の鍵となると考えます。
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