3連覇を支えた功労者、田中・松山選手ら8選手が戦力外に
広島東洋カープは10月1日、松山竜平選手(40歳)、田中広輔選手(36歳)、上本崇司選手(35歳)を含む8選手と、来シーズンの契約を結ばないことを発表しました。
リーグ3連覇(2016年〜2018年)に大きく貢献した松山選手(プロ18年目)は、「アンパンマン」の愛称で親しまれ、勝負強い打撃が持ち味で、2017年には14本塁打を記録しました。今シーズンは左ひざの故障もあり1軍出場はありませんでしたが、2軍では打率2割6分5厘をマークし、9月は月間打率4割超と好調でした。
同じく3連覇の主力であった田中選手(プロ12年目)は、走攻守揃ったリードオフマンとしてチームを牽引し、2017年に盗塁王と最高出塁率、2018年にゴールデン・グラブ賞を獲得しています。特に2015年からの635試合連続フルイニング出場は歴代6位の記録です。今シーズンは1軍出場が14試合にとどまりましたが、2軍では打率3割3分3厘を記録していました。
松山選手と田中選手は、ともに他球団での現役続行を希望しています。松山選手は通算1000安打まで残り60本、田中選手は残り35本と迫っていました。
上本崇司選手は現役引退へ
地元広島出身のユーティリティープレーヤー、上本崇司選手(プロ13年目)も戦力外通告の対象となりました。上本選手は内外野をこなす守備と、打順を問わない打撃でチームを支え、2022年にはキャリアハイの成績(94試合出場、打率.307)を残し、2023年には新井監督の期待に応え「つなぎの4番」も経験しました。しかし今季は20試合の出場に留まりました。
戦力外通告を受け、上本選手は現役引退の意向を示しました。プロ生活13年間を振り返り、地元大好きなカープで野球ができたことは目標でもあり、非常に嬉しく幸せだったと感謝を述べました。
また、身体が限界でボロボロであるため、悔いは全くなく、肩の荷が下りて「もう頑張らなくていい」という気持ちの方が強いと明かしました。やり残したこととしては、「新井監督に優勝させてあげたかった」と語っています。
若手や地元出身選手も多数、現役続行を希望
今回の戦力外通告の対象となったのは、他にも野手の宇草孔基選手(28歳)、中村健人選手(28歳)、投手の河野佳投手(24歳)、赤塚健利投手(24歳)、育成選手の小林樹斗選手(22歳)の計5名です。
宇草選手は、大学時代に投球に苦しむ中で指名された球団に対し、1軍で戦力になれなかった悔しさを表明し、NPB以外の道も含めて冷静に選択肢を広げていく考えを示しました。
中村選手は、社会人出身として勝負の場を与えられたことに感謝しつつも、恩返しできなかったことを悔やんでおり、チャンスがあればしがみついてでも野球を続けたい意向です。
地元広島出身の河野投手は、今季思うように投げられず覚悟はしていたものの悔しい気持ちがあり、新井監督のもとで地元でプレーできたことや、良い先輩に恵まれたことに感謝を述べました。
小林選手と赤塚選手も、今後も野球を続けていく意向を示しています。
2軍投手コーチ2名も退団へ
また、広島は10月1日、高橋建二軍投手コーチ(56歳)と横山竜士二軍投手コーチ(49歳)の2名についても、来シーズンの契約を結ばないことを発表しました。高橋コーチは2022年から、横山コーチは2020年からカープのコーチを務めていました。
期待の若鯉が1軍に合流
ベテラン選手の退団が相次ぐ中、チームは若手育成に期待を寄せています。
シーズン残り2試合の先発として、3年目の斉藤優汰投手とドラフト2位ルーキーの左腕、佐藤柳之介投手が1軍練習に合流しました。斉藤投手は、役割が先発に変わったが、ゾーン内で勝負するという基本は変えずに自分の持ち味を出すと述べています。佐藤投手は、制球力とストレートの強さを戻すための努力を試合で発揮し、最終戦を勝利で終えるために自分の役割を果たすと抱負を語りました。
また、身長2メートルのルーキーである菊地ハルン投手は、最近の登板で変化球も多く投球しています。野球解説者は、2メートルを超える長身はかけがえのない貴重な武器であり、ストレートと変化球をさらに磨き、150キロ超の速球を投げてほしいと期待を述べています。
私の見解
カープの黄金期を支えた松山選手や田中選手の戦力外通告は、多くのファンにとって衝撃的なニュースです。チームをけん引した功労者の姿は、記録以上に記憶に残り続けます。長年の活躍に感謝し、今後の挑戦を心から応援したいです。
一方で、上本選手の現役引退は寂しさと同時に、地元選手としてチームを支えた誇りを感じさせます。「新井監督を優勝させたかった」という言葉には、選手と監督、そしてファンをつなぐ強い絆がにじみ出ています。
ベテランの退団により、若手に大きなチャンスが訪れます。斉藤投手や佐藤投手ら新世代がどのように飛躍するか注目されます。功労者の思いを受け継ぎ、次なる黄金期を築いていく姿を見守りたいです。
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