元小学校教諭が認めた教室でのわいせつ行為
元小学校教諭(39)が、勤務先の広島市立小学校の教室で複数の女子児童に対しわいせつな行為を行い、動画を撮影・保存したとして、不同意わいせつなどの罪に問われ、広島地裁で初公判が開かれました。被告の男は、初公判で涙ながらに起訴内容を全面的に認め、謝罪の言葉を述べました。男は9月26日付けで市教委により懲戒免職処分となっています。
起訴状などによると、男は2025年2月から5月の間に計4回、女子児童2人を無人の教室に誘い込み、わいせつな行為に及びました。検察側は、男が担任という立場を利用して、「体調確認のための検温」などと偽って児童を呼び出し、「目をつぶった方がリラックスできる」と告げて視界を奪い犯行に及んでいたと指摘しました。また、男はタブレット端末などを複数台使用し、さまざまな角度から撮影することで性欲を満たしていたことも明らかになりました。さらに、男は起訴事実以外にも同様の犯行を繰り返していたことを示唆する供述をしており、検察側は10月下旬に別の事件で追起訴を予定しています。
盗撮を繰り返した教諭の逮捕と学校現場の防止策
広島市立小学校の教諭(27)が、当時勤務していた小学校内で女子児童のスカート内を盗撮した疑いなどで逮捕されました。男は、2024年10月に階段の踊り場で、2025年1月には教室で、それぞれ別の10代の女子児童のスカート下にスマートフォンを差し入れ、動画を撮影しようとした、または撮影した疑いが持たれています。男は警察の調べに対し、小学校で女子児童のスカート内をスマートフォンで数回盗撮したことは認めていますが、詳しい状況は覚えていないと供述しています。
男は、2025年9月にも広島市内の商業施設で10代女性のスカート内を盗撮した疑いなどで、すでに2度逮捕されていました。押収されたスマートフォンにはスカート内を撮影しようとした動画が複数残っていたことから、警察は男が盗撮用のスマートフォンを使って常習的に犯行を繰り返していたとみて捜査を進めています。
教職員によるわいせつやハラスメント事件が後を絶たない事態を受け、広島県教委や広島市教委は、教職員に対し、SNSでの私的なやり取りや密室での1対1の対応を禁止行為として周知し、再発防止に取り組んでいます。
また、広島県立府中高校では、校舎の図面に人通りの少ない「死角」となりうる場所を洗い出して教職員間で共有するなど、教職員が生徒と2人きりになりやすい場所を特定し、独自の防止策を講じています。
広島市教委の解説では、過去に「女子が着替えている最中に教室に入ってくる」などの相談があったにもかかわらず、「まさかあの先生が」といった正常性バイアスが働き確認を怠ったことが、事件の一因であったと報告されています。
私の見解
教職員による児童へのわいせつ行為は、信頼関係を根底から揺るがす重大な犯罪です。被害児童への心理的負担は計り知れず、学校現場では早期発見と適切な対応が不可欠です。再発防止のため、教職員の行動規範と監視体制を厳格にする必要があります。
今回の事件では、担任という立場を利用して密室で行われたことが特徴です。教育現場での正常性バイアスや監視の不十分さが、犯罪を見過ごす要因となっています。教職員や管理職は、疑わしい行為を見逃さず報告する文化を徹底する必要があります。
学校や教育委員会は、防止策としてSNSや1対1の対応の制限、人通りの少ない場所の共有などを進めています。こうした対策は重要ですが、児童の安全を最優先に考え、教育現場全体で継続的に改善し続ける姿勢が求められます。


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