創価大・立石正広内野手をドラフト1位で公言
12球団最速の指名公言とその背景
広島カープは2025年10月13日午前にマツダスタジアムでスカウト会議を開き、独立リーグ、社会人、大学生、高校生の最終評価を確認した後、創価大学の立石正広内野手をドラフト1位で指名することを明らかにしました。これは12球団で最も早い指名公言であり、カープとしては1位指名公表は4年連続で、12球団最速となると3年連続での公言となります。ドラフト会議は今月23日に開催されます。
公言に踏み切った理由について、田村スカウト部長は、他球団からも1位指名が予想される逸材に対して「誠意を見せるため」にこの段階で発表したと説明しています。競合は確実だと見られていますが、球団はご縁があれば嬉しいと、獲得への強い意欲を示しています。
「将来の4番候補」としての高い評価
立石選手は山口県出身の右打ちの内野手で、身長180cm、体重85kgのどっしりとした体格をしています。彼の最大の魅力は打撃力にあり、大学生離れした長打力と打率を残せるミート力を兼ね備えた大学屈指のスラッガーとして、世代ナンバーワンスラッガーとの呼び声も高いです。
具体的には、高校時代には甲子園でホームランを放ち、大学では東京新大学リーグの2年春に打率、打点、本塁打の三冠王を獲得しています。また、大学日本代表では4番も務めた経験があります。守備面では、主にセカンドやサードを守る内野手であり、複数ポジションを守れる点や、グラブさばきにも定評があるため、全体的な能力が高いと評価されています。
担当の尾形佳紀スカウトは、立石選手の身体能力の高さと勝負強さが魅力であり、カープでたくさん打ってくれそうな選手だと期待を寄せています。今シーズン、チーム本塁打数がリーグ最少だったカープにとって、立石選手は近い将来の4番候補として最高の評価を受けています。元カープの山内泰幸氏も、今年の補強ポイントである野手の中で立石選手がナンバーワンのバッターだとし、山口出身で広島に近いため、ぜひカープに来てほしいとコメントしています。
若鯉の奮闘と選手の動向
フェニックスリーグでの若鯉の新たな挑戦
来シーズンの1軍定着を目指す若手選手たちは、宮崎県日南市でのフェニックスリーグでレベルアップを図っています。プロ5年目の二俣翔一選手は、今秋からキャッチャーに再挑戦しており、出場機会を増やすための決断だと述べています。二俣選手は14日の試合で先発捕手を務め、完封勝利に貢献し、新たなポジションで大きな成果を得ました。
一方、ドラフト3位ルーキーの岡本駿投手は、今秋から先発に挑戦しています。今シーズンは中継ぎで41試合に登板しましたが、先発挑戦の試合で、低めの直球でダブルプレー、高めのストレートで三者連続三振を奪うなど、安定したピッチングで相手打線に二塁を踏ませず完封勝利を達成しました。岡本投手は、トレーニングや試合内容が充実しており、成長していると感じているとコメントしています。
また、プロ2年目の佐藤啓介選手は打撃で存在感を示し、満塁のチャンスでライト前にタイムリーを放ち、マルチヒットを記録しました。これは修正に取り組んでいるスイング軌道の成果が早速結果として現れたものです。
小園選手のタイトル記念と長野選手の引退
カープの小園海斗選手が今シーズン、最高打率と最高出塁率の2冠を獲得したことを記念し、マツダスタジアムのグッズショップの壁画が刷新されました。この巨大壁画は高さ6.6メートル、幅5.8メートルあり、得点圏に強い「ここぞの小園」を象徴する塁上での決めポーズがデザインされています。小園選手は、個人の成績は良かったものの、チームが優勝できなかったため、来シーズンは優勝とタイトルの両方を目指したいと誓いました。
また、巨人は14日、かつてカープにも在籍した長野久義選手(40歳)が今シーズン限りで現役を引退すると発表しました。長野選手は2018年オフに人的補償でカープに移籍し、4年間で296試合に出場。2020年には打率2割8分5厘を残すなど、若手が多いチームの中で存在感を発揮し、16年間のプロ生活に終止符を打ちました。
私の見解
立石正広選手の指名公言は、広島カープが未来の打線強化に本気で取り組んでいる姿勢を示しています。地方出身の逸材に早期から誠意を見せる姿勢は、地域密着球団としてのカープらしさでもあります。立石選手の加入が実現すれば、打線の中心を担う期待は非常に大きいです。
フェニックスリーグでの若鯉たちの奮闘は、チームの底上げに直結しています。特に二俣選手や岡本投手の挑戦は、ポジションの枠を超えた成長意欲を感じます。若手が自らの可能性を広げようとする姿勢こそ、今後のカープを支える原動力になると感じます。
小園選手の記念壁画や長野選手の引退は、チームの過去と未来をつなぐ象徴的な出来事です。カープの伝統を築いてきた選手への敬意と、新世代の台頭が同時に描かれる今、ファンとしてはこの転換期を楽しみに見守りたいと思います。


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