広島市で無料の電子図書館サービス開始、中央図書館休館中の代替策にも【2025年9月2日】

メモ

約3700冊の電子書籍と約600のオーディオブックが利用可能に

広島市は、2025年9月2日から、パソコンやスマートフォンなどで無料で書籍を閲覧できる「広島市電子図書館」サービスを開始しました。広島市立図書館の利用登録をしていれば、約3700冊の電子書籍と約600のオーディオブックを無料で利用できます。書籍の拡大表示も可能です。

中央図書館の休館を補完

この新サービスは、広島市中区の中央図書館が2025年9月から休館し、来年度に広島駅前へ移転再整備されるまでの代替サービスとしても期待されています。広島市は、普段図書館に行く機会のない人も電子書籍を気軽に利用してほしいと考えています。

閉館の背景、今後の予定

広島市立中央図書館が、2025年8月31日の開館を最後に現在の場所での半世紀にわたる歴史に幕を下ろし、9月1日から臨時休館となりました。建物の老朽化に伴い、JR広島駅前の商業施設「エールエールA館」への移転準備を進めています。

この図書館は、1926年に旧広島藩主・浅野長勲によって設立された私立「浅野図書館」に遡る長い歴史を有しています。1931年には市に寄贈されました。1945年8月6日の原爆投下により建物は全焼し、蔵書の大半は失われました。しかし、疎開されていた貴重な「浅野文庫」は戦災を免れ、広島の文化の担い手としてその歴史を刻み続けました。戦後、1955年に再建され、1974年に中央公園内の現在地へ移転し、「広島市立中央図書館」として新たな歴史を刻んでいました。

図書館は今後、移転準備として資料の整理や搬出作業を行います。本の閲覧や貸し出しサービスは8月31日で終了しましたが、予約した本の受け取りと返却、自習室の利用などは9月15日まで可能です。新しい図書館は、2026年度にエールエールA館での開館を予定しています。広島市は、新しい自習室が整備されるまでは、公民館の図書室などを利用するよう呼びかけています。

私の見解

電子書籍・オーディオブック約4300点が無料で利用できることは、時間や場所に制約がある人でも読書体験を持てる大きな利点です。特に通勤・通学中や自宅での隙間時間に読書できるため、従来の紙の図書館利用の壁を下げる効果があります。

中央図書館の休館により、来館できない市民が生じる可能性がありました。その間、電子図書館サービスを提供することで、図書館機能の途切れを最小限に抑えられる点は非常に実用的です。単なるデジタル化ではなく、サービス継続の戦略としても評価できます。

広島市は「普段図書館に行かない人にも使ってほしい」と述べています。電子化により、従来の図書館利用者だけでなく、若年層や忙しい働き手、高齢者など幅広い層がアクセスできる点は、公共図書館サービスの民主化・包括化につながります。

電子書籍・オーディオブックは、目が不自由な方や読書が苦手な方にも活用でき、教育機会の拡大や文化的教養の向上に寄与する可能性があります。また、学校や家庭での学習補助としても役立つでしょう。

参照

「広島市電子図書館」のサービス開始について|広島市公式ウェブサイト

広島市電子図書館について|新着情報|広島市立図書館

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