働く喜びがもたらす心身の健康:福山市シルバー人材センター
福山市には、60歳以上で健康かつ働く意欲のあるシニアが多数活躍する「福山市シルバー人材センター」があります。ここで23年間、自転車再生事業に携わる上田功さん(93歳)は、仕事の楽しさについて、難しい修理が完了した時や、お客様からの感謝の言葉が一番の喜びであり、励みになると語っています。
上田さんは、自転車の部品を分解し、元の状態に戻す作業や、代替部品を考えて組み込む作業が脳を使い、ボケ防止につながっていると感じているそうです。同僚たちも、仕事を通じて友人関係を築き、食事やビールも美味しく感じると、生き生きと働く様子を伝えています。
継続は力なり!毎朝のラジオ体操で得る活力
福山市の護国神社前広場では、毎朝地域住民が集まってラジオ体操を行っています。このラジオ体操の大ベテランである佐藤清子さん(95歳)は、42年間で1万3450回以上参加し続けています。
54歳で体調を崩したことがきっかけで体操を始め、継続することの重要性を実感しているそうです。病気も徐々に良くなり、毎日体操に通うことが体調維持に不可欠だと感じています。仲間と共に体操を続けることが大きな支えとなっており、朝のルーティンが健康の秘訣だと語っています。
新しい挑戦が心躍らせる:健康スマホ教室とフレイル予防
福山市西部市民センターでは、「福山進化プロジェクト」の一環として健康スマホ教室が開催されています。廣川彰さん(77歳)と三藤敏郎さん(84歳)は、スマホを使いこなしたいという意欲を持って熱心に学んでいます。LINEグループの作成やトーク機能、地図アプリの活用法などを習得し、その成果に喜びを感じています。
この教室はフレイル予防のきっかけ作りを目的としており、指先を使うスマホ操作は認知症予防にも良いとされています。講師は、健康に関心を持つきっかけとなるよう、指先の運動やウォーキングなど、健康につながる内容を提供していると説明しています。
廣川さんと三藤さんは、趣味を3つ以上持ち、様々なことに興味を持って参加することが健康長寿の秘訣だと述べています。福山市では、他にもコーヒーの淹れ方教室や体作り教室、ウォーキングなど、多岐にわたるプログラムが用意されており、9月からは高齢者向けスマートフォン購入補助事業、10月には情報集約サイトの開設も予定されています。
趣味と希望が満たす人生:バレエ、ボウリング、そして歌
生涯現役で活躍するシニアの姿は、様々な場所で見られます。福山市の高橋洋子バレエ学園を率いる高橋洋子さん(90歳)は、週3回中高年向けのクラスを指導しており、その美しい立ち姿と「年齢を言い訳にしてはだめ」という熱意ある指導は周囲を感化しています。
広島市では敬老の日に合わせて、75歳以上のボウラーを対象とした「長寿ボウラーを祝う会」が広電ボウルで開催されました。今年で47回目を迎えるこの大会には、約160人のベテランボウラーが招待され、最高齢は93歳の大朝幸雄さんでした。大朝さんは30年以上のボウリング歴を持ち、体調が良ければ週に一度は楽しんでいるそうです。
八橋芙美子さん(90歳)も参加し、ボウリングを始めてから元気になり、100歳まで続けたいと話しています。広電ボウルの75歳以上の会員数は10年間で2倍以上に増加し、健康志向の高まりとともにボウリングを楽しむ高齢者が増えていることが伺えます。
広島市の平岡喜三男さん(まもなく100歳)は、80歳を過ぎてから始めた歌が生きがいだと語っています。平岡さんは、長生きの秘訣は「人生に常に希望を持つこと」、そして「できることなら笑うこと」であり、「笑いのない人生は寂しい」と表現しています。
また、「友を作る」ことの重要性も強調し、人生は一度のチャンスをどう活かすかで大きく変わるとの考えを持っています。戦時中に潜水艦に乗っていた経験からカレーライスが好物で、妻は97歳、2人の子供、4人の孫、5人のひ孫がいます。
コメント