パン文化の普及と芸術支援に尽力した功績を称える
今年2月に99歳で亡くなったパン製造販売アンデルセングループの相談役、高木彬子さんを追悼する音楽会が開催されました。
この音楽会は「アンデルセングループメモリアル音楽会『パンのかおりのする街』」として、高木さんのお別れの会に代わって行われたものです。
高木彬子さんは1948年に夫の俊介さんと共に「タカキのパン」(後のタカキベーカリー)を創業し、日本で初めてデンマークのパン「デニッシュペストリー」を販売するなど、日本のパン文化を広めることに大きく貢献しました。また、「アンデルセンのメルヘン大賞」を創設するなど、文化や芸術の支援も積極的に行ってきました。
1800人が参加し、音楽で故人を偲ぶ
会場には高木さんが生前に残した言葉を紹介するパネルが展示され、高木さんのパンづくりに対する深い思いに触れることができました。
コンサートでは広島交響楽団が演奏する中、創業40周年を機に作られたアンデルセングループの社歌などが披露され、1800人が参加して故人を偲びました。
私の見解
高木彬子さんの追悼音楽会は、単なる企業創業者の功績を振り返る場に留まらず、「パン文化」と「芸術文化」の両立を体現した人生を市民全体で共有する意義深い時間になったと感じます。
日本でまだパンが一般的でなかった時代にデニッシュを紹介し、食文化に新しい風を吹き込んだ功績は大きいですが、それ以上に「パンを通じて人を豊かにする」という理念を文化活動へと広げた点が印象的です。「アンデルセンのメルヘン大賞」のような取り組みは、食と芸術を結び付けたユニークな社会貢献であり、その姿勢が今も企業文化として根付いているのは素晴らしいことです。
追悼の場が1800人規模の音楽会となったのも、高木さんの影響が業界を超えて人々の心に深く刻まれていた証でしょう。パンの香りとともに芸術を楽しむ街づくりに尽力した人生は、まさに「文化資産」と呼ぶにふさわしいと思います。
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