アストラムライン:初の運賃値上げと駅員暴行事件判決

メモ

アストラムライン、開業以来初の値上げへ

広島市中心部と北西部の住宅地を結ぶアストラムラインは、1994年の開業以来(消費税率引き上げ時を除く)初めてとなる運賃の値上げを、2025年10月1日から実施しました。運賃改定の主な理由は、新型コロナウイルス感染症流行による収入の減少に加え、電気設備や車両の老朽化に伴う施設整備の更新費用人件費や物価の高騰が経営を圧迫しているためです。

運賃の値上げ幅は最大で30円です。特に利用客が多い運行距離12キロ以内の区間では一律30円値上がりし、最低運賃は190円から220円になりました(例:本通駅から高取駅まで)。一方で、本通駅から広域公園前までの全区間など、12キロを超える区間の最高額は490円に据え置かれています。定期券も値上げされ、通勤1か月で最大1,410円、学生定期で最大1,090円の値上がりとなっています。

アストラムラインを運行する広島高速交通は、厳しい経営環境の中、安全・安心で持続可能な輸送サービスの提供に努めるとしており、利用促進のため1日乗車券を900円に値下げするなどの取り組みも行っています。

アストラムライン駅員への暴行事件で実刑判決

2024年11月にアストラムライン広域公園前駅で発生した、駅員への暴行事件に関して、広島地裁は2025年10月1日、30歳の被告に対し懲役6年の実刑判決を言い渡しました。

被告は、駅員から不正乗車を指摘され、追徴金など240円の請求を受ける可能性を伝えられた際、逃走を阻止しようとした駅員の男性(当時48歳)に対し、足を振り上げたり、右膝を踏みつけたり、肩を足で蹴るなどの暴行を加え逃走しました。この暴行により駅員は右脛骨高原骨折の重傷を負い、加療に約1年を要する大怪我となりました。

裁判長は、駅員から逃げるために骨折させるほどの強い暴行を加えており、身勝手な犯行であり結果は重大であると指摘しました。

私の見解

アストラムラインの運賃値上げは、多くの利用者にとって負担増となりますが、老朽化対策や安全確保を考えると避けられない判断だと思います。持続可能な運行を実現するためには必要な一歩です。

一方で、利用者の理解を得るには、値上げに見合う利便性の向上やサービス改善が欠かせません。1日乗車券の値下げなど利用促進策を積極的に展開する姿勢は評価できると感じます。

暴行事件については、公共交通を支える現場の職員を守る体制強化が急務です。駅員が安心して働ける環境を整えることは、利用者にとっても安心感につながる大切な課題だと思います。

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