福山道路の現状と課題
福山市中心部を通る国道2号の慢性的な渋滞を解消するため、バイパスとして計画されている「福山道路」の早期整備を求める声が高まっています。福山道路は、岡山県笠岡市から福山市赤坂町までを結ぶ全長16.5キロの計画です。現在、このうち3.3キロの区間は建設が進められていますが、残りの13.2キロは未だ事業化されていません。この道路は、国道2号の慢性的な渋滞緩和や災害時の代替道路として、市民や経済界から期待されています。
市長らが知事に提言
2025年9月5日、福山市の枝広直幹市長をはじめ、備後圏域の6つの市や町の市長・町長、経済団体のトップら計10名で構成される期成同盟会が県庁を訪れ、湯崎英彦知事に提言書を手渡しました。彼らは2026年度の事業化を目指し、「福山市域だけがぽっかりとバイパス整備から遅れをとっている。こうした状況は、一刻も早く解消しないといけない」と訴えました。湯崎知事は「福山道路の整備は重要な事業だと認識している。国に対して(残りの区間の)早期の事業化を引き続き働きかけていきたい」と応じたということです。
神辺水呑線と地域の期待
福山道路に加え、福山市内を走る「神辺水呑線」の早期事業化も要望されています。この道路は、東西に延びる国道2号と、福山東ICから福山港を結ぶ南北の道路が交わる明神町交差点(1日あたり約4万台が通過)の渋滞緩和を目指すものです。南北に高架道路が2キロにわたって整備される計画で、これにより、物流の効率化だけでなく、沿線にある福山市民病院への救急搬送時間の短縮にもつながると期待されています。湯崎知事は神辺水呑線について「今後の事業化に向けて検討をしていきたい」と述べました。期成同盟会は来年度の県の道路整備計画の策定に向けて、国にも働きかけていくとしています。
私の見解
福山市を中心とした交通インフラ整備は、地域経済・生活環境・防災機能のすべてに関わる重要課題です。
- 福山道路
国道2号の慢性的な渋滞は、市民生活や物流に直接影響を与えています。現在3.3キロのみ整備中で残りの13.2キロが事業化されていない状況は、広島県内でも福山市だけが取り残されている印象を与え、経済界や住民の不満が募るのも当然です。広域交通ネットワークの観点からも、早期事業化は不可欠だと思います。 - 神辺水呑線
明神町交差点は「市内のボトルネック」と呼べるほど交通量が集中しており、渋滞が救急搬送にまで影響を与えている点は看過できません。南北の高架道路整備は物流だけでなく医療アクセスにも直結するため、優先度の高いプロジェクトと考えます。 - 課題
一方で、道路整備には多額の費用がかかり、環境負荷や沿線地域の用地買収などの課題も伴います。そのため「国・県・市が連携し、広域的なビジョンに基づいて段階的に進める」ことが重要だと感じます。
総じて、福山道路と神辺水呑線は「市民の安心・安全と地域経済の持続的発展」を支えるインフラであり、早期事業化に向けた強い働きかけが必要と考えます。
コメント