広島城が金色に輝く：世界小児がん啓発月間、子どもたちに光を当てる

金色に込められた希望のメッセージ

2025年9月10日夜、広島市の広島城が小児がん啓発のシンボルカラーである金色にライトアップされました。これは「世界小児がん啓発月間」（ゴールド・セプテンバー・キャンペーン）の一環として行われたもので、金色には「子どもたちは金のように貴重な宝物」という意味が込められています。

ライトアップは9月16日まで、日没から午後10時まで実施される予定です。この美しい光景は、広島大学病院に入院中の子どもたちにも届けられ、希望のメッセージとなっています。

このキャンペーンは、世界的な取り組みであり、日本では2021年から参加し、2024年には全国100カ所以上で開催され、2025年は5年目を迎えます。主催は日本小児がん研究グループ（JCCG）で、全国200以上の小児がん専門病院が参加する臨床研究グループです。

今年のテーマは「みんながみんなを支える～５年の絆これからの希望～」。9月9日にはプレイベント、9月23日にはメインイベントのオンライン配信も予定されています。

広島県内では年間40人から50人の子どもが白血病や脳腫瘍などの小児がんと診断されています。治療法の進歩により約8割が治癒するとされていますが、その後も長期的なサポートが必要となることが課題です。

がんの子どもを守る会も、情報サイトの公開やペアレンツハウスのライトアップ、ゴールドリボン着用などを通じて啓発活動を続けています。

広島城の金色ライトアップは、歴史的な建物を「希望の象徴」として社会に開く試みであり、非常に意義深いものです。小児がんは治療の進歩により「治る病気」へと変わりつつある一方で、治療後も心身に及ぶ影響や家族への負担は大きく、社会的理解と支援が欠かせません。

金色の光には「子どもは宝物」というメッセージが込められていますが、これは単なるシンボルではなく、社会全体で子どもとその家族を支えていくべきだという強い呼びかけです。特に広島のように「平和の象徴」を持つ地域での実施は、命の尊さと未来への希望をより強く伝えるものだと思います。

また、全国規模で広がる「ゴールド・セプテンバー・キャンペーン」は、小児がんの啓発を超えて「支える文化」を育む運動に発展しており、地域の人々や観光客がこの光景を目にすることで、共感や行動につながる可能性があります。

医療の現場だけではなく、市民が「できること」を考えるきっかけとして非常に価値が高い取り組みだと考えます。