過去最高の豊作!江田島オリーブの収穫
江田島市では、島を挙げて栽培しているオリーブの収穫時期を迎え、10月3日にはオリーブオイル作りが始まっています。オリーブ栽培加工・レストラン運営を行う山本倶楽部では、18年前に耕作放棄地の活用を目指し江田島市と協力して栽培を開始しました。約12ヘクタールの農園で15品種のオリーブを栽培し、17種類のオイルを製造しています。猛暑の年ではありましたが、適度な降雨があったため、例年よりも実が大きく、収穫量は過去最高になる見込みです。
オリーブは摘み取ったその日のうちに搾油することで、品質の良いオリーブオイルに加工されます。搾油工程では、皮と種を一緒に粉砕・練った後、遠心分離機で水分を取り除き、最後にフィルターで不純物を濾過します。搾りたてのオイルは鮮やかなグリーンが特徴で、そのまま飲んでも芳醇な香りが楽しめ、どんな料理にも合うとされています。社長によると、今年は様々な品種の実が大きくなっているため、今までにないオリーブオイルの味が出てきているようです。オリーブオイルテイスターは、今年のオイルはトマトのような香りが際立っており、料理にかける前に一度飲んでみると味の違いが分かると推奨しました。収穫は11月1日まで続き、過去最高の約15トンの収穫、オリーブオイルにして1500リットル分が期待されています。
呉市豊町で柑橘類の出荷開始
柑橘類の産地である呉市豊町では、10月6日から「広島レモン」と「極早生(ごくわせ)ミカン」の出荷が始まりました。瀬戸内海の大崎下島では、青い色と爽やかな香りが特徴の「グリーンレモン」が丁寧に摘み取られています。生産者は、香りが良く果汁も十分なので、紅茶や料理のアクセントとして楽しんでほしいと話しています。
また、ブランドである「大長みかん」の中でも最も早い時期に成熟する極早生ミカンの出荷も始まっています。この時期のミカンは酸味と甘みのバランスが良いのが特徴です。今年は猛暑の影響が懸念されていましたが、9月に入って適度に雨が降ったため、出来栄えは上々とのことです。ある生産者は、お世辞抜きで味のバランスが良いと語りました。初日にはレモン約500キロ、ミカン約5トンが選果場に運ばれました。今年度は広島県産ミカン全体で約7,500トンの出荷が見込まれており、収穫は来年春頃まで続き、県内市場を中心に全国へ出荷されます。
里山の恵みを体験(福山・安芸太田)
実りの秋を満喫するイベントが各地で開催されました。福山市の神辺千鶴幼稚園では10月6日、園児27人がイモ掘りに挑戦しました。幼稚園では毎年この時期にサツマイモ掘りを行い、秋の食育に取り組んでいます。
また、安芸太田町では、里山の保全に取り組む企業が主催し、広島市内などから親子26人が参加して自然と触れ合うイベントが開催されました。参加者は里山の豊かな自然環境が人手によって守られていることを学び、田んぼでヤゴやカエルなどの生き物と触れ合いました。その後、地元の農家の指導のもと、鎌を使って手作業で稲刈りを行い、昔ながらの「はぜ掛け」で天日干しにする作業も体験しました。さらに、稲刈りの後にはイモ掘りも行われ、子どもたちは重いイモを掘り出し、自然豊かな里山で実りの秋を楽しみました。
私の見解
江田島のオリーブが過去最高の収穫を迎えたことは、長年の努力と地域の自然条件が見事に調和した結果だと感じます。気候の変化に左右されやすい中でも、栽培技術や管理体制の向上が実を結びました。地元発のプレミアムオイルとして、今後ますます注目を集めそうです。
呉市豊町の「広島レモン」と「極早生ミカン」は、瀬戸内ならではの温暖な気候が育む逸品です。香り高く酸味と甘みのバランスが取れた味わいは、地域ブランドの誇りを感じさせます。全国へ届けられる広島産果実の存在感が、ますます高まっていくことでしょう。
福山や安芸太田で行われた食育・体験イベントは、自然と人との関わりを再確認する貴重な機会でした。子どもたちが土に触れ、収穫の喜びを体感することは、食の大切さを知る第一歩です。こうした取り組みが、未来へ続く「地域の実り文化」を支えていくのだと思います。
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