湯崎県政16年の回顧と次期リーダー選出への動き

メモ

激動の時代を乗り越えた16年間と退任の挨拶

2025年9月30日、県議会9月定例会の最終日を迎え、11月に退任を控える湯崎英彦知事が最後の挨拶を行いました。

知事は16年前の就任当時を振り返り、リーマンショックによる世界的な大不況の荒波の中で職務を始めたことに言及しました。当時の県は、主要産業が新興国の勃興によるグローバル競争の激化にさらされていました。

湯崎知事は、戦争の傷跡から見事に立ち上がってきた広島県の挑戦心と底力を信じ、それを引き出すことで、新たな時代においても発展し続ける県づくりを目指したと述べています。知事は、議会と執行部が「よりよい広島県を作る」という思いを一つにしたからこそ、多くの先進的な取り組みによって一定の成果を生むことができたと感じていると伝えました。

湯崎知事は、今後も政治、行政、そして県民が力を合わせ、「広島に生まれてよかった」と心から思える県がさらなる高みで実現することを強く願う旨を表明しました。

最終定例会で可決された重要議案と経済支援策

9月定例県議会では、一般会計でおよそ77億円(約76億9400万円)の補正予算案など16の議案が可決・成立しました。この補正予算案には、アメリカの関税措置の影響を受けている県内事業者への支援策が盛り込まれています。

具体的には、関税の影響を受ける事業者の海外への販路拡大や設備投資への支援として4億円が充てられています。また、手話を言語として位置づけ、普及を図るための「手話言語条例案」も全会一致で可決・成立しました。

連合広島が新人候補を推薦、知事選告示へ

10月23日に告示され、11月9日に投開票される広島県知事選挙に向けて、立候補者のポスター掲示板の設置が福山市などで始まっています。福山市選挙管理委員会は、投票率の上昇を目指し、期日前投票所を18カ所設置し、市内1010カ所に掲示板を設置する予定です。

前副知事の横田美香氏は立候補を表明しており、県内の労働組合で構成される「連合広島」は、10月3日に横田氏を推薦する方針を決めました。連合広島は、横田氏が湯崎県政を支えてきた経験から県の課題を深く認識していること、そして新たな視点や女性という視点で県政を推進し、連合広島の政策も共に進めてくれると判断したため、推薦を決定したと説明しています。

横田氏は、この支援を大変心強く思っていると述べました。横田氏にはすでに自民党が推薦を決定しており、公明党も推薦する方向で手続きを進めています。

一方、共産党県委員会は市民団体と共に候補者を擁立する方針です。

私の見解

湯崎英彦知事の16年間は、世界的不況からの再生や地方創生、デジタル施策の推進など、広島県の未来を形づくる挑戦の連続でした。政治姿勢の是非はさておき、「挑戦を恐れない県政」を貫いた点に、時代を切り開くリーダーとしての意志を感じます。

今回の補正予算案に盛り込まれた経済支援策や手話言語条例の成立は、「成長」と「共生」を両立させようとする県政の姿勢を象徴しています。単なる支援に留まらず、多様な県民が安心して活躍できる環境づくりを継続することが、今後の課題であり希望でもあります。

次期知事選では、湯崎県政の成果をどう受け継ぎ、どのように発展させるのかが問われます。横田美香氏をはじめ、各候補が「県民一人ひとりの幸福」をどのように描くのか。その具体性と実現力が、広島の未来を左右する分岐点となるでしょう。

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