2025年版:広島で泊まりたいミシュランキー認定の宿まとめ

メモ

フランスのミシュランガイド(日本ミシュランタイヤ)は10月9日(水)、世界の優れた宿泊施設を独自に評価する指標「ミシュランキー」の結果を発表しました。レストランの「星」と同じくキー(鍵)の数で評価されるこの国際的な格付けにおいて、広島県からは合計4施設が選出され、国内での存在感を示しました。

初選出の注目施設!アートと絶景が融合した「SIMOSE ART GARDEN VILLA」

1ミシュランキー獲得の背景と評価ポイント

広島県大竹市に位置する宿泊施設「SIMOSE ART GARDEN VILLA」が、2025年(今年)初めて「1ミシュランキー」に選出されました。

1キーは「特別な滞在を提供する宿泊施設」であることを示します。この施設は、昨年「世界で最も美しい美術館」としてベルサイユ賞を受賞した下瀬美術館に併設されています。選定理由として、「SIMOSE ART GARDEN VILLA」は「型にはまらず、他にはない体験を提供している」点が評価されました。

支配人は、公の評価を得た喜びを語り、大竹市の名前がミシュランガイドに載ったことを光栄に思い、来年こそは「2キー」獲得を目指したいと抱負を述べています。なお、このヴィラの宿泊価格は、2食付きで1泊1部屋あたり14万円からとなっています。

瀬戸内海を一望する建築美

敷地内には10棟のヴィラが点在しており、美術館と同様に、日本を代表する建築家である坂茂(ばん しげる)氏が設計を手がけました。特に「ダブルルーフの家」などのヴィラからは、リビングルームのカーテンを開け放つと、目の前に瀬戸内海と厳島が広がる絶景を楽しむことができます。

この施設は、宿泊客が風とともに絶景を楽しめる点が魅力とされています。また、同じ敷地内の下瀬美術館では現在、アメリカの美術家サム・フォールズさんの日本初公開作品や、現代美術家松山智一さんの作品など、新たなコレクションの企画展が開催されています。

広島県内で高評価を維持・獲得したその他の施設

最高評価「2ミシュランキー」を継続した名宿

広島県内で最も高い評価を受けたのは、廿日市市にある「石亭」です。「素晴らしい滞在」を示す「2ミシュランキー」に、2024年に続いて今年も選ばれました。石亭は「人々の目を引くデザインや建築などが特別な場所や空間を演出している」として評価されています。

尾道市の宿泊施設も「1ミシュランキー」に選出

また、広島県内では尾道市の宿泊施設2施設も「1ミシュランキー」に選ばれています。選ばれたのは、「Ryokan尾道西山」「Azumi Setoda」です。これにより、広島県から選ばれた施設は合計4施設となりました。

世界の宿泊施設を評価するミシュランキーの全体像

評価の基準と今年の選出状況

ミシュランキーは、レストランの「星」と同様にホテルの卓越性を評価するために去年初めて発表されました。評価は「1キー」「2キー」「3キー」の3段階で行われ、「3ミシュランキー」が最も高い評価です。

評価基準には、建築やインテリアデザイン、サービスの質、そして価格に見合った特別な体験が提供されているかなど、五つの基準が含まれます。今年(2025年)は、全国で合計128施設が評価を受けました。内訳は、3ミシュランキーが7施設、2ミシュランキーが20施設、そして1ミシュランキーが101施設でした。

全国で評価された他の地域の旅館・オーベルジュ

他県では、鹿児島県霧島市牧園の旅館「忘れの里 雅叙苑」が、昨年の1キーから評価を上げ、県内初となる「2ミシュランキー」を獲得しました。この旅館は1970年創業で、かやぶき屋根の古民家が点在する集落風景を再現し、郷土料理が人気です。運営会社の社長は、欧米客の利用が増える中で、この評価を機に鹿児島の伝統や文化を世界に発信したいと述べています。また、鹿児島県内では「sankara hotel&spa 屋久島」と「妙見石原荘」(霧島市)も1キーに選ばれています。

石川県では、七尾市能登島須曽町にある宿泊型レストラン「一(ひとつ) 能登島」が新たに1ミシュランキーに選出されました。2023年にオープンしたこの施設は七尾湾を一望し、能登産の魚介類を使った寿司を提供しています。県内では、加賀市の「あらや滔々庵」と「べにや無何有」も昨年に続き1キーに選ばれています。

私の見解

ミシュランキーに広島の施設が複数選出されたことは、地域の魅力が国際的に評価された証拠です。SIMOSEの初選出は特に新しい価値を示し、地元の観光資源に追い風が吹くと感じます。

石亭の2キー継続や尾道の複数選出は、広島に質の高い宿泊体験が定着しつつあることを意味します。伝統と現代性が両立する点が、評価の安定につながっていると思います。

今後は地域間の連携や持続可能な観光施策で評価をさらに高める好機です。地元事業者は独自性を磨きつつ交流を深め、広島ブランドの価値を世界へ広げていくべきだと考えます。

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