売却される広島県内の物件概要
府中市と三原市の物件が対象
日本郵便株式会社は、遊休不動産の売却を目的とした一般競争入札を公告しました。入札件名は「旧大津社宅ほか3件の売却」で、この中に広島県内の2つの物件が含まれています。
一つ目は旧府中高木社宅(府中市高木町字下樋掛497他)です。これは公簿面積991.00㎡の宅地であり、建物は鉄筋コンクリート造陸屋根4階建て(延べ床面積1,016.68㎡)で、築年月は平成7年3月27日です。この物件の最低売却価格は1,080,000円です。
二つ目は旧糸崎郵便局(一部)(三原市糸崎五丁目2841-2)です。これは公簿面積412.19㎡の宅地であり、建物は付属しない更地となっています。この物件の最低売却価格は14,600,000円です。
入札参加の手続きとスケジュール
競争入札の主な日程と取引条件
入札公告日は2025年10月1日です。入札参加資格確認申込の受付期間は2025年10月1日(水)から10月22日(水)までの土日祝日を除く毎日、午前10時から午後5時までとなっています。
広島県内の現地説明会は、旧府中高木社宅が11月13日午前に、旧糸崎郵便局(一部)が11月14日午前に開催される予定です。入札書は一般書留郵便でのみ受け付けられ、締切は2025年12月1日(月)必着です。開札は2025年12月2日(火)に行われます。
落札者は、契約金額の10分の1(ただし上限は1,000万円)を手付金として、契約締結時までに日本郵便株式会社が指定する口座に振り込みにより納付する必要があります。残代金決済および引き渡しは、旧府中高木社宅が2026年1月22日(木)、旧糸崎郵便局(一部)が1月23日(金)に予定されています。
取引は現況有姿で行われ、売主は実測精算や隣地との境界点・境界線の明示は行いません。また、入札参加者は、金融機関等からの融資などの付帯条件を設定せずに参加することが求められます。
私の見解
今回の入札は、地方における不動産の余剰化が進む現状を象徴しているように思います。府中市や三原市は、かつて産業や交通の拠点として栄えましたが、現在は人口減少と高齢化の進行により、空き物件や遊休地の扱いが課題となっています。公的機関による売却は、その再活用を模索する一つの契機といえるでしょう。
旧府中高木社宅のような築30年を超える建物付き物件は、再利用には相応の改修費や用途変更の検討が必要です。一方で、旧糸崎郵便局の更地物件は柔軟な用途展開が可能ですが、地方エリアでは需要見通しを慎重に立てなければなりません。現況有姿での取引条件を踏まえ、事業性判断が問われる内容です。
今回のような遊休不動産の処分は、単なる資産整理にとどまらず、地域経済の再構築につながる可能性を持っています。地元企業や個人投資家が地域の実情に合った活用策を見出せれば、新しい雇用や交流の場が生まれるかもしれません。小さな再生が、地方の未来を少しずつ変えていくと感じます。
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