広大な跡地が生み出す経済効果の可能性
広島県と呉市は、日本製鉄呉地区跡地の利活用可能性調査をデロイトトーマツコンサルティング合同会社に委託し、有望な成長産業としてエネルギー産業拠点、デジタル産業拠点、造船産業拠点の3分野を特定しました。
これらの候補は、市場性、地域特性・既存インフラとの親和性、雇用創出効果といった観点から評価されています。
特に、エネルギー産業拠点は約6.3兆円、デジタル産業拠点は約5.7兆円、造船産業拠点は約2.2兆円の経済波及効果が試算されています(初期投資と10年間の売上合算)。
これらの産業誘致により、それぞれ約1,800人、約1,500人、約800人の雇用創出が見込まれています。
安全性、環境、交通渋滞への懸念
住民説明会では、ヘリコプターの騒音問題や交通渋滞への懸念が表明されました。
防衛省は、ヘリポートは常駐配備ではなく災害派遣時の使用を想定し、騒音問題については十分に検討すると回答。交通渋滞については呉市と協力して検討を進めるとしています。
また、火薬庫の安全性についても市民から強い心配の声が上がっており、事故発生時の連絡体制の整備などが求められています。
防衛省は、自衛隊の火薬庫での爆発事故は過去にないとしつつ、地域への迅速な連絡体制を呉市と協議すると述べています。
さらに、効率的・経済的な施設整備のため、地下埋設物や土壌汚染の状況、その対応策についてもゾーニングの前に確認・検討が必要とされています。
日本製鉄は土壌汚染対策法に基づく区域指定の申請書を受理しており、法令遵守と真摯な説明が求められています。
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