観光消費額単価が過去最高を更新
令和6年に観光客が広島県内で消費した観光消費額総額は5,918億円となり、前年比で919億円(+18.4%)の増加を記録しました。これに伴い、1人当たりの観光消費額(単価)も9,141円となり、前年比10.4%増(859円増)で過去最高を更新しました。
単価増加の背景には、物価高騰による飲食代や土産代の高まりと、円安を背景とした外国人観光客の増加による宿泊費の高騰が影響していると分析されています。
修学旅行生は減少傾向、誘致活動を強化へ
総観光客数が回復する一方で、修学旅行客は69万人で前年より7万人減少しました。新型コロナの影響で訪問先を近場に変更していた学校が遠方の訪問先に戻したことなどが要因として挙げられています。
広島市においては、修学旅行生が33万2千人で前年比5.1%の減少となりました。広島市は、被爆の実相をより多くの若い世代に伝えるため、修学旅行の誘致活動に注力していく方針です。
交通手段の動向
観光客が利用した交通機関では、自家用車利用者が3,535万人(54.6%)と最も多くを占めました。次いで鉄道利用者(1,383万人、21.4%)、船舶利用者(721万人、11.1%)が続きます。令和6年では、感染症流行期に増加した自家用車利用者の割合はやや減少し、概ね流行前の傾向に戻りつつあります。
私の見解
全体としては「回復が確かな手応えを示しているが、回復の重心が外国人観光客に偏っている」という印象です。令和6年(2024年)のデータは短期的に非常に力強い回復を示しており、特に広島市の過去最多更新や宿泊・消費単価の上昇はプラス材料。
ただしリスクと課題も明確です。国内客の完全回復が遅れている点、特定市場やインバウンド政策(為替・直行便等)に依存している点、修学旅行減少や地域間の温度差などです。
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