2025年秋、偉業を祝う巨大花絵が世羅に出現
投打の金字塔「50本塁打・50奪三振」を表現
広島県世羅郡世羅町黒渕にある観光農園「花の駅せら」では、毎年春と秋に広大な畑に花で巨大な絵を描く「花絵」が来園者の目を楽しませています。2025年秋、特に注目を集めたのは、米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手をモチーフにした花絵です。この花絵は、大谷選手がこのシーズンに達成した前人未踏の50本塁打と50奪三振という金字塔を祝うために制作されました。
二刀流の躍動感を伝えるデザインと見頃の状況
花絵のデザインは、投打で活躍する大谷選手の姿を表現した「二刀流」がテーマとなっており、上から見ると、大谷選手が投げている姿と打っている姿が浮かび上がります。サルビアなどの色とりどりの花、約3万株を使って描かれています。
農園では、異例の空梅雨に悩まされ、7月には例年のおよそ3倍の水を撒くなど管理に苦労しましたが、大記録達成を祝うように、花絵は9月上旬に鮮やかに見頃を迎えました。農園の職員は、この絵を見てテレビなどを通じて大谷選手を応援してもらえれば、という期待を寄せています。この花絵は10月末頃まで楽しめる見込みです。
2025年「秋の花まつり」の詳細と絶景体験
500万本のコスモスとジニアの花畑
花の駅せら(旧:世羅ゆり園)では、2025年9月6日(土)から11月3日(月・祝)まで「秋の花まつり」が開催されています。秋の見どころは、500万本にも及ぶコスモスやジニアの花畑です。花絵の周辺でもコスモスが咲き始めており、訪れた人々は展望台から花絵とともに壮大な秋の風景を写真に収めて楽しんでいます。
雲海とコスモスのコラボレーションを狙う早朝開園
秋の花まつり期間中の特定の週末には、特別な早朝開園が設定されています。2025年9月27日(土)から10月26日(日)の期間中、5:00から8:30まで開園しており、運が良ければ、早朝の晴れた秋空の下で、コスモス畑と雲海、そして日の出の神秘的なコラボレーションを堪能することができます。早朝開園の入園料は大人2,000円です。
季節で変わる大谷花絵の物語と農園の魅力
過去の作品に見る大谷選手の歩み
大谷選手をモチーフとした花絵の制作は、今回が初めてではありません。2024年秋には、大リーグ史上初の「50ホームラン、50盗塁」を達成した大谷選手を応援する目的で、ホームランを確信して歩き出す「確信歩き」の姿がサルビアやジニア約3万株(5品種)で描かれました。
この時、「本塁打王」の文字も添えられましたが、予想以上の大記録達成に、担当者からは「50―50の文字にすればよかった」という声もありました。また、2025年春(4月下旬〜5月20日頃見頃)には、大谷選手の投手としての活躍への期待と、第1子となる女児誕生の祝福を込めて、投球する姿がビオラやネモフィラ約3万株(20種類)で表現されています。
立ち寄りたい園内施設とイベント
「花の駅せら」は、自然豊かな大地と植物を通じて「元気」「感動」「癒し」を提供する場を目指しており、季節の花に囲まれながら、花農園ならではの軽食や名物メニューを楽しめます。特にフラワーソフト、ゆりスカッシュ、ユリソーダなどがおすすめです。
また、園内の高台にある絶景スポットにはオートキャンプ場があり、宿泊して星空と花畑を満喫できます(1泊3,500円〜6,000円)。さらに、2025年9月21日(日)と10月5日(日)には、ペットの犬や猫も無料で一緒に入園できる「わんニャン祭り in 花の駅せら」が開催されます。
私の見解
世羅の「花の駅せら」で展開される大谷翔平選手の花絵は、単なる観光イベントにとどまらず、地域振興・文化表現・スポーツの偉業讃歌が融合したユニークな試みといえます。
花絵は季節ごとに変わり、来園者に「今しか見られない体験」を提供する点で、観光資源として非常に強い魅力を持っています。
2025年秋の作品は、史上初の「50本塁打・50奪三振」という前人未踏の記録を花で表現しており、スポーツの歴史的瞬間と自然の美を結びつける「地域ならではの祝祭空間」を創出しています。これは訪問者にとって単なる鑑賞ではなく、大谷選手を応援する一体感や、広島の地域性を体験する文化的価値を与えている点で意義深いです。
また、農園が水管理やデザイン維持に尽力している背景は、自然との共生と人の努力が調和して成り立つ「アート作品」であることを示しています。さらに、雲海や早朝開園イベント、ペット同伴可能な催しなど、花絵以外にも来園体験の幅を広げており、観光拠点としての完成度が高いと感じます。
今後も「大谷花絵」は継続される可能性が高いですが、その都度のテーマやストーリーが地域と来園者をつなぐ「物語」となり、観光の記憶に深く残っていくでしょう。
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