「ウサギの島」大久野島で「訪問税」導入検討

背景にある観光客とウサギを巡るトラブルと環境課題

「ウサギの島」として知られる広島県竹原市の大久野島では、「訪問税」の導入が検討されています。周囲およそ4キロのこの島には500匹以上の野生のウサギが生息し、国内外から年間およそ20万人が訪れる、広島を代表する観光地の一つです。

訪問税導入検討の背景には、一部の観光客によるエサの放置などのゴミ問題や、ウサギとの距離感を巡るトラブルがあります。今年4月には、現地でウサギを蹴って死なせるなどした男が執行猶予付きの有罪判決を受けています。また、旧日本軍の毒ガス製造施設など戦争遺構の保存や、老朽化した道路の改修といった課題も抱えています。

検討状況

竹原市は、これらの課題を解決するための新たな財源として、2028年度ごろの訪問税導入を目指しています。有識者や観光関係者などでつくる検討委員会の設置費用29万円余りを盛り込んだ補正予算案が市議会に提出され、10月をめどに委員会を設置して議論を進めるとともに、大久野島を管轄する環境省とも協議していくとしています。

広島県内では、すでに廿日市市の宮島が2023年10月に全国に先駆けて訪問税を導入しており、フェリーなどの運賃に1人1回100円が上乗せされています。

私の見解

大久野島は「ウサギの島」として観光資源が豊富ですが、 野生動物との接触トラブルや餌の放置などの行動 が生態系や安全に影響しています。一部の観光客による虐待事件（ウサギを蹴るなど）も発生しており、 動物保護の観点からの管理強化 は必須と考えます。

大久野島には 戦争遺構の保存や老朽化したインフラ なども課題として存在します。訪問税の導入により、 生態系保護・遺構保全・道路整備 といった総合的な管理が可能になり、持続可能な観光地運営につながるでしょう。