協定調印式を実施
2025年9月4日、山口県庁でマツダの社長・毛籠勝弘氏、山口県知事・村岡嗣政氏、岩国市長・福田良幸氏が出席し、新工場建設に関する協定の調印式が行われました。
EV普及に向けたマツダの目標
マツダは2030年度までに電気自動車の販売比率を現在の25%から40%に引き上げることを目指しています。今回の工場建設は、その実現に向けた大きな一歩です。
工場の概要
- 建設地: 山口県岩国市
- 着工: 2025年11月予定
- 稼働開始: 2027年度を目標
- 従業員数: 約400人予定
- 投資額: 約950億円(山口県史上最大規模)
- 業務内容: パナソニックエナジー製の円筒型リチウムイオン電池セルを、電気自動車に搭載できる形に組み立て
国内での新工場は33年ぶり
マツダが国内で新工場を建設するのは、1992年に稼働を開始した防府第2工場以来で、実に33年ぶりとなります。
私の見解
マツダが山口県岩国市にEV用電池工場を建設する決断は、電動化の潮流に本格的に対応していく姿勢を鮮明にした大きな一歩だと思います。
今回の新工場は、約950億円という山口県最大級の投資規模であり、地域経済や雇用(約400人の新規雇用)にとっても非常に大きなインパクトを持ちます。特に岩国市は広島本社・防府工場と地理的に近く、サプライチェーンを効率的に構築できる点で戦略的な選択と言えるでしょう。
また、パナソニックエナジー製の円筒型リチウムイオン電池を採用し、組み立て工程を国内に持つことで、品質管理や技術蓄積を日本国内で確保できるのは強みです。他方で、世界的には電池調達競争が激化しており、コストや量産体制の構築が遅れれば競争力低下につながるリスクもあります。
つまり、今回の投資はマツダが「電動化で後れを取らない」という強いメッセージであり、山口県発の新たなEV拠点形成として地域の期待も大きい反面、グローバル市場の変化にいかに柔軟に対応できるかが今後の鍵になるでしょう。
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