450年の歴史と国内外からの来客増
三次市の夏の風物詩として知られる「三次の鵜飼」が、10日をもって今シーズンの営業を終えました。およそ450年前に始まったとされるこの伝統漁法は、鵜匠が操る鵜が川で魚を捕らえるダイナミックな姿が毎年多くの観光客を魅了しています。
三次観光推進機構によると、今シーズンは天候に恵まれ、悪天候による中止はわずか2日間にとどまりました。国内外から去年の約1900人を上回る2300人余り、または約1.2倍の2394人の観光客が乗船し、大盛況でした。乗船した観光客からは、他の地域と比べて鵜の表情を近くで見られることや、鵜と鵜匠の素晴らしい連携に感動したという声が聞かれました。
無事故での最終日と伝統継承への意欲
三次観光推進機構の理事長は、シーズンを無事故で終えられたことに喜びを示し、鵜と鵜匠の信頼関係が観客に感動を与えたと感想を述べました。また、鵜匠は伝統を継承し、さらに発展させるために関係者一丸となって努力していきたいと抱負を語っています。
私の見解
三次の鵜飼は450年という長い歴史を背景に、伝統を守りつつも観光資源として磨かれてきた点が注目されます。
今シーズンは国内外から観光客が増加し、特に「鵜の表情を近くで見られる」という三次ならではの魅力が評価されました。これは単に伝統文化の維持ではなく、観光客の体験価値を意識した演出や環境整備の成果といえます。
また、シーズンを無事故で終えたことは、鵜匠と鵜の信頼関係に加え、運営側の管理力を示すものです。自然環境や天候リスクが大きい事業ですが、天候に恵まれただけでなく、地域全体の体制強化が功を奏したと考えられます。
今後は「伝統文化 × 国際観光」という文脈での発信を強めれば、三次の鵜飼は地方観光の象徴的存在となり得るでしょう。とくに海外観光客への訴求力を高めることで、さらに持続的な成長につながる可能性があります。
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