成年後見人による巨額横領事件:広島弁護士会元副会長の弁護士を逮捕・送検

メモ

信頼を裏切る手口と1億3000万円の不正引き出し疑惑

広島弁護士会元副会長の弁護士(67)が、成年後見人として管理していた財産から現金を横領した業務上横領の疑いで逮捕・送検されました。この弁護士は、2018年11月に、家庭裁判所から成年後見人に選任されていた30代女性の口座から、現金400万円を引き出して横領した疑いが持たれています。

この弁護士は2009年から女性の成年後見人を務めていましたが、家庭裁判所の調査により、2015年ごろから2023年ごろまでの間に、総額約1億3000万円を横領していた疑いが判明しています。警察は、着服した金銭を個人的な用途に使用していたとみています。また、容疑者は横領の発覚を防ぐため、家庭裁判所に提出する預貯金通帳の写しを偽造していたとみられています。捜査関係者への取材から、この弁護士が成年後見人を務めた複数の人物からも同様の手口で財産を着服していた可能性があることがわかっています。

弁護士会の危機感と事件発覚の経緯

弁護士は警察の調べに対し、容疑について「今は言う気になれません」と供述しています。

この事件は、2025年7月下旬に後任の成年後見人となった弁護士からの届け出によって発覚しました。家庭裁判所も横領の事実を確認し、8月に告発状を県警に提出しています。また、容疑者の事務所は今年8月をもって廃業しています。

広島弁護士会の会長は、報道内容が事実であれば、弁護士に対する信頼を著しく損なうものであり、極めて厳粛に受け止めているとのコメントを発表しました。

私の見解

成年後見人は財産管理の重要な役割を担っていますが、今回の事件はその信頼がいかに脆弱であるかを示しています。制度自体は高齢者や判断能力が不十分な方を守るために設けられたものですが、管理者の不正行為により被害者が甚大な損失を被る危険性があることが明らかになりました。

長期間にわたる横領や通帳偽造の手口から、外部の監査や定期的なチェックの重要性が浮き彫りになっています。制度運用者だけでなく、家庭裁判所や弁護士会も被害の早期発見に向けた仕組みを強化する必要があります。信頼性の維持には透明性の確保が不可欠です。

今回の事件を契機に、成年後見制度や財産管理の安全性について社会全体で議論を深めるべきです。利用者や家族も制度のリスクを理解し、適切な監督を求める意識を持つことが、将来的な被害防止につながると考えます。信頼回復には制度全体の見直しが欠かせません。

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