建築界の巨匠から若手まで網羅!「ひろしま国際建築祭2025」注目展示プログラム詳細

メモ
『ひろしま国際建築祭 2025』ロゴ
デザイン:原研哉

プリツカー賞受賞者を網羅する「ナイン・ヴィジョンズ」展

尾道市立美術館で日本の建築の真髄に迫る

尾道市立美術館にて、10月4日(土)から11月30日(日)まで開催される「ナイン・ヴィジョンズ|日本から世界へ 跳躍する9人の建築家」展は、建築界のノーベル賞とされるプリツカー建築賞を受賞した8組9名の日本人建築家全員に焦点を当てた企画です。

出展建築家は、丹下健三(1987年受賞)、槇文彦(1993年受賞)、安藤忠雄(1995年受賞)、妹島和世・西沢立衛 [SANAA](2010年受賞)、伊東豊雄(2013年受賞)、坂茂(2014年受賞)、磯崎新(2019年受賞)、山本理顕(2024年受賞)です。

この展示の目的は、なぜ日本の建築家が世界で高く評価され、世界的なレベルに到達したのか、その魅力と真相を探ることです。展示構成にあたっては、手書きの迫力ある図面や精巧な模型、映像、インスタレーションなどを通して、鑑賞者が単なる二次資料ではなく、建築家のビジョンやアプローチを想像できるよう導くことに注力されています。

未来志向の提案「NEXT ARCHITECTURE」展

地球と響き合う有機的な建築を神勝寺で提示

神勝寺 禅と庭のミュージアム(無明院)では、10月5日(日)から11月30日(日)まで「NEXT ARCHITECTURE|「建築」でつなぐ新しい未来」展が行われます。

出展建築家は、藤本壮介、石上純也、川島範久、VUILD/秋吉浩気、Clouds Architecture Officeの5組です。彼らは「海」、「自然」、「市民」、「風景」、「宇宙」といった視点から構想された5つの提案を提示し、建築を近代的な人工装置としてではなく、地球と響き合う有機的な存在として捉え直す試みを行います。

※神勝寺 禅と庭のミュージアムは、建築祭初日の10月4日(土)は式典のため、一般の方は終日入場できません。

伝説の自邸「成城の家」再現予告展

丹下健三の自邸、瀬戸内の丘での未来像

神勝寺 禅と庭のミュージアム(無明院・明々軒)では、10月5日(日)から11月30日(日)まで「神原・ツネイシ文化財団 建築文化再興プロジェクト 「成城の家」の写し」展が開催されます。

戦後日本の建築界を牽引した丹下健三が1953年に設計した自邸(現存せず)を、福山市内の瀬戸内海を見下ろす丘の上に再現するプロジェクトが進行中であり、本展はその予告となります。展示では、宮大工が制作した縮尺1/3模型や、丹下健三がこの家のためにデザインした家具、愛用品、当時の資料などが公開されます。

尾道の建築を巡る多角的な展示

LLOVE HOUSE ONOMICHIで長坂常氏が「半建築」を探求

建築家・長坂常氏がリノベーションした文化交流拠点「LLOVE HOUSE ONOMICHI」では、10月4日(土)から11月30日(日)までの二期にわたり「OPEN LLOVE HOUSE|尾道「半建築」展」を開催します。

長坂氏が率いるスキーマ建築計画の設立27周年を記念し、OBOGと現スタッフ約40名によるプロジェクト活動報告や、素材やデザイン検討のサンプル、家具などが展示され、建築と家具の間、未完の可能性といった「半建築」の概念を空間を通して探ります。10月4日(土)~5日(日)には、OBOGと現スタッフ約40名による「活動報告会」が一般公開されます。

写真家・高野ユリカ氏が「うつし」の建築を記録

まちなか文化交流館「Bank」では、写真家・高野ユリカ氏による「うつすからだと、うつしの建築」が10月4日(土)から11月3日(月・祝)の期間で開催されます。尾道の街に溶け込む様々な時代の建築の中から、高野氏は特に「うつし」の建築に焦点を当て、浄土寺や林芙美子記念館、明喜庵(待庵の写し)などを写し出します。

LOGでインドの建築家ビジョイ・ジェイン氏の哲学に触れる

LOGでは、10月4日(土)から11月30日(日)まで「Architecture Voice from LOG|「建築の声」を聞く」が開催されます。LOGを設計したインドのスタジオ・ムンバイ/ビジョイ・ジェイン氏とUMA/design farmが協働し、ビジョイ・ジェイン氏の設計コンセプトや現場のスタッフの思いなど、目に見えない建築の「声」をデザインで表現します。来場者は、体験キット(UMA/design x LOG体験キット、11:00~17:00)を用いて、スケッチや素材のフロッタージュなどを楽しむことができます。

入場無料!ONOMICHI U2で「ZINE」カルチャーを体験

ONOMICHI U2では、10月4日(土)から11月30日(日)まで、京都のけんちくセンターCoAKによるキュレーション展示「「ZINE」から見る日本建築のNow and Then」が開催されます。若手建築家が作成した自主制作の雑誌やビジュアルブック(ZINE)などが展示・一部販売されます。この展示は鑑賞パスポートなしで無料でご覧いただけます

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