被爆体験を未来へ:RCC番組・ドキュメンタリー・戦没者追悼で広島が描く平和

メモ

メディアによる被爆記録と追悼活動

RCCが制作した2つの番組が2025年日本民間放送連盟賞を受賞しました。

ラジオ報道番組部門で最優秀を受賞した「消えゆく声~ヒロシマを継ぐこと」は、被爆体験証言を続けた父の思いを継ぐ家族伝承者の葛藤と、それに向き合うディレクターの心境の変化を通して継承のあり方を考察した番組です。

テレビ教養番組部門で優秀を受賞した「ヒロシマの記録-『地上の地獄』は映像に遺された-」は、原爆投下2ヶ月後の広島を撮影した映像を再検証し、カラー化作業を追った内容で、「79年後の今だけでなくさらに未来に残すべき番組」と評価されました。

また、RCCや中国新聞社など5つの報道機関が連携して東京で開催した原爆記録写真展「ヒロシマ1945」の収益の一部100万円が広島市に寄付され、原爆ドームの保存に使われることになりました。来場者数は約3万7000人に上り、核兵器の現状に危機感を抱き、平和を希求する人々が訪れたことは、メディアにとって大きな意義があったと説明されました。

被爆米兵の調査と平和学習の推進

被爆者である森重昭さんの、広島で被爆死したアメリカ兵捕虜12人の調査と遺族との交流を描いたドキュメンタリー映画「燈籠流し”Paper Lanterns”」が広島市で上映されました。

森さんは、この上映会で、原爆は想像よりもはるかに恐ろしい爆弾であり、二度と使われないようみんなで反対していこうと声を大にして訴えました。森さんは、自身の活動を引き継ぐ者が見つかったことを報告し、他の人にも継承を繋いでほしいと呼びかけています。

広島平和文化センターは、修学旅行の平和学習のあり方について議論するため、関東エリアの教師を招いた集いを初めて実施しました。広島への修学旅行訪問者は年間約60万人を超えますが、関東からの生徒数は比較的少ない現状があります。センターは、多感な時期に広島や長崎に来ることの重要性を理解し、教師を先導役として平和を創り出す子どもたちを育てたいと考えています。

海軍の記憶と戦艦交流

広島県呉市では、戦後80年を機に、旧海軍の呉鎮守府ゆかりの戦没者を慰霊する呉海軍墓地合同追悼式が行われました。約700人の遺族や市民、海上自衛隊関係者が参列し、戦没者を偲び平和を誓いました。

また、呉市の大和ミュージアムと、日本の降伏文書調印の舞台となったアメリカの戦艦ミズーリ記念館が姉妹館提携10周年を迎え、ミズーリの精巧な模型が記念展示としてお披露目されました。両館の代表者は、大和とミズーリが日米最後の戦艦であり、もともとは平和を目指していたというメッセージを伝えていきたいと語っています。

私の見解

広島は 「被爆の記憶の保存」「次世代への教育」「国際交流と平和メッセージの発信」 という三本柱で平和活動を継続的に展開しており、メディアや文化施設がその中心的役割を果たしていることがわかります。

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